今月１０日の新月ボトルは、５１番クツミ。タロットカードでは、スウォード（剣）のキングです。剣は風の元素を表し、キングはその風の元素を扱うことに長けていることを表しています。今月のマンスリーではその「剣」について探求したいと思います。

タロットカードでは人間を４つの元素にあてはめてとらえています。まず、４つの元素を象徴しているのが、ワンド＝火、剣＝風、カップ＝水、ペンタクル（コイン）＝地。それぞれの元素は次のように対応します。火＝霊的なもの、直観。風＝思考、知性。水＝感情、感受性。地＝物質、肉体。そして、肉体を取り巻くオーラを大きく３つに分けると、肉体（地の元素）に近いところから、感情体（水の元素）、精神体（風の元素）、霊体（火の元素）となります。ものの見方や考え方に制限や偏りがあると、精神体にブロックが生じます。すると、霊体から肉体までの流れがうまくいかなくなります。そして、霊体で受け取った直観やひらめきに気づきにくくなったり、信頼できなかったり、思考で感情を抑圧して自分の気持ちがわからなくなり、たまった感情が噴出して感情に振り回されたり、感情を通して肉体の声が聞こえなくなったりします。「火＝霊体」と「水＝感情」を繋いでいるのが「風＝思考」なのです。今月のボトルで紹介したクツミは、天使とデーヴァ（地球）の２方向を繋ぐことがテーマでした。タロットカードにおいても、「剣＝風」は「火」と「水」という、相反するものを繋ぐ象徴なのです。ちなみに古神道で神（かみ）は火（か）と水（み）が合わさったものと言われています。

「剣＝風」を詳しく見ていきましょう。風は人間の知性、思考を表します。通俗的なタロットの本では吉凶で争いを示すと書かれていることも多いが必ずしもそうではありません。人間の鋭い知性や洞察力、冷静なものの見方を象徴しています。物事を見分け、区分し、整理して再構成する力。冷静さ、一種の諦め、合理性が必要な状況を表します。剣は切る道具。何かを断ち切ったり、決別したりするときにこの剣の力を必要とするでしょう。風は男性性のエネルギーです。

他の元素についても見てみましょう。

ペンタクル（コイン）は地の元素に対応し、現実を構成する物質を表します。そして、あなたが今ここにあるものにどんなふうに対峙し関わっているのかを示します。金銭面だけでなく、現実の基盤を表し、肉体も表します。現実を重視し、安定を求め守ろうとする傾向があります。地は女性性のエネルギーです。

昔は剣を作るために、大地（ペンタクル）の奥深くから「鉄」を取り出し、木（ワンド）を炭にして高温で熱し、火を使って溶かします。そして、水（カップ）を吹きかけ何度も叩いて形を整えていきます。このように、他の元素を合わせて剣が作られるのです。剣（思考）がすべての元素を繋ぐものであることは、ここからもわかっていただけると思います。よく、夢を叶えるとか、自己実現の本には「思考が現実を作る」とも書かれています。

　剣が作られるようになった青銅器時代。剣は戦いの道具として、人が人を制圧していくものとして作られていきました。剣を作るために、鉄を掘り出し、山から木を切り出し、作る過程で水を汚していきます。自然と調和していた生き方から、人間が自然を利用し、コントロールし、汚していく生き方に・・・「剣」はそんな人間の生き方を象徴しているのかもしれません。

「世界シンボル事典」で剣について、調べてみました。「創世記」には人類の祖であるアダムとエヴァが堕罪によってエデンの園を追われた後、その入り口には見張りとして、ケルビム（天使）ときらめく剣の炎が置かれたと記されています。上述したように、剣を作る知恵を手に入れた人間は、自然と調和していた生き方＝楽園（エデンの園）から、切り離されどんどん源との繋がりを忘れていきます。剣は切るもの。自分と全体を切り離すことで客観性が生まれ、洞察していく力を持ちます。そして恐れの思考は分離を生み出し、葛藤を引き起こします。ですが、同時にすべての元素から生まれる剣は繋ぐものでもあるのです。剣＝思考をどのように使うのか・・・恐れから分離に行くのか、愛と知恵をもって繋ぐほうへと行くのか・・・剣は魔力を帯びたシンボルとして重んじられてきました。私たちがもう一度楽園であるエデンの園へと帰るためには、剣が鍵なのかもしれません。

ゲルマン文化圏では、祭りなどで「剣の舞」が演じられてきました。また、伝説の英雄たちの剣には特定の名前が付けられており、剣が魔力を帯びたシンボルとして重んじられていたことがわかります。古代エジプトのラムセス時代に建てられた神殿の入り口には巨大な塔門がありますが、そのレリーフにはファラオが神の手渡す剣を掴むため、手を挙げて儀礼のポーズをとった姿が刻まれています。剣がパワーの象徴として描かれているのでしょう。古代中国では、魔術師が悪魔祓いをするために、剣を使いました。日本でも神社で厄払いをしてもらうときに、巫女さんが刀を持って舞ってくれますよね！また、中国の神話では、昆吾山（こんござん）に金属を食べる野兎がいて鉄胆腎（てつたんじん）と呼ばれる内臓から２振りの名剣、雄剣「干将」と雌剣「莫邪」が作られたといいます。

日本の神話では、嵐の神スサノヲが八岐大蛇（やまたのおろち）を退治した際に尾の中から１振りの剣を見出したことがよく知られています。八岐大蛇＝大蛇＝龍は大地のエネルギーを表し、人間が大地から鉄を取り出すことになったことを表しているのだと思います。そして、この八岐大蛇を退治した後、スサノヲは稲田姫と結婚します。稲田姫は名前の通り、稲作を表しており、人間が大地のエネルギーをコントロールし、剣を作るのと同じように、稲作を押し広げて行ったことを表しています。二人が結婚して住んだ場所が現在の島根県の須賀にある、「須賀神社」の地。なぜ、この地を選んだのでしょうか？ここは清田（西利太）の製鉄所に近い場所なのです。実際に出雲の地を訪れてみると、スサノヲとゆかりにある場所は、製鉄との関係も深いのです。そして、この八岐大蛇から取り出した剣は「天叢雲剣（あめのむらくものつるぎ）」と呼ばれ、八坂瓊曲玉（やさかにのまがたま）や八咫鏡（やたのかがみ）とともに、三種の神器とされています。
　

８番の色が逆転してペールになると９４番の大天使ミカエルになります。大天使ミカエルも西洋では剣を手にし、ドラゴンを制している姿で描かれています。光（火）の天使であるミカエルが、剣を使いドラゴン＝水を制しています。ここでも光（火）と水を剣が繋いでいるのです。オーラソーマタロットカードでは、ドラゴンが低次のもの（イエロー、感情と肉体）を表しています。光の天使ミカエルはそのドラゴンに対して、優しいまなざしを向け、剣を洞察する力として、グラストンベリーのミカエルの塔に向けています。グラストンベリーはイギリスの聖地で、地球のハートチャクラと言われており、ハートから全体的視野、洞察力、愛をもって、ドラゴン（条件付け・潜在意識）を見ているのです。９４番はタワーのリターンジャーニー。タワーは生命の樹ではホド（思考、水星）とネツァク（感情、金星）を繋ぐパスです。タロットの絵の中では、剣がホドの思考を表し、盾に描かれているカップがネツァクの感情を表しています。このタワーのパスは錬金術において、「輝ける破滅」と言われており、深いレベルからの変容を表します。もともと大天使ミカエルは、生命の樹でホドの水星に対応し、錬金術に関連しているのです。感情と思考のバランスがもたらされ、ハートが軽やかになればなるほど、私たちの意識と肉体はもっと仲良くなり、細胞レベルからの変容が起こっていきます。その錬金術の鍵がホドの思考の使い方にあるのかもしれません。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

2013年の流れが本当にはじまるような節目の瞬間であり、終わらせることは、すべて終わらせて、すべての「はじまり」への準備ともいえる星の時間―終わりと始まり、速さと穏やかさ、一瞬と悠久が同時に存在する―内的な移行期となる星回りです～☆

先月、30日に昨年の10月4日から逆行を続けていた「木星」が順行に戻りました。「木星」は、保護とともに成長や拡大を促す天体。「木星」逆行中は、成長や広げる必要のあるものを外側にではなく、内側に探索してゆく旅をする星回り。内側に眠っていた、あなたの才能、可能性、資質、あるいは家系から引きついだもの、DNAの中に携えているもの、あなたの内なる「宝」や「種」を見つけることはできたでしょうか？

「木星」は前進に転じてから夏至の頃まで、双子座をぐんぐん前進してゆきます。また、木星の順行をもって10個の天体がすべて同じ方向を向いて、それぞれのスピードで前に前にと、進んでゆくことになります。19日に「土星」が逆行に転じるまでの間、最適のタイミングで前に向かって物事が進んでゆくことになるでしょう。後ろを振り返るよりも、前に向けてどうすすんでゆきたいのか？「今」という瞬間に何を選択するのがベターなのか、どうすればより成長できるのか？に沿って、進んでまいりましょう！

2月2日に「金星」と「火星」がそろって星座を移動します。「金星」は水瓶座に入り、「火星」は魚座に移動。ぐっと風向きが変化しそうです。すぐ後に「節分」「立春」があり暦の上でも、季節の変わり目となっています。

この時期、ロマンやイマジネーションがアツクなるのと同時に、傷ついた人、弱いものを助けたい、救済への欲求が高まりそうです。理詰めではなく、気持ちや想いで行動に走るという、情熱的な期間になりそう！また長年の間埋もれていたもの…自分の中の脆くて弱い部分、コンプレックスや、見ないふりをしてきた側面、苦手な人間関係などを、外科手術をするように、エイヤっと取り出し解決していくチャンスかもしれません。火星のブレイクスルー力でもはやいらなくなった感情や関係性を打ち砕きましょう♪水瓶座に入った「金星」は、高い理想を追いかけます。双子座「木星」と120度の角度を結び、さらに理想に向かい、成長してゆこうという追い風がやってきそうです！

5日伝令の星「水星」が魚座へ移動します。魚座「水星」と、双子座「木星」がミューチュアルリセプションというカタチで結ばれ、さらに夢を広げ発展させてくれそうです。

そして10日、水瓶座で「新月」となります。未来に向けてどのような「種」を蒔いてゆきたいのか？を考え、そのヴィジョンに向けて実際に実践、行動してゆきましょう！理想や夢、展望を頭の中だけで思い描いても、それは文字通り「絵にかいた餅」にすぎません。実践したり、行動することは「種」を成長させることになるのです。 この新月では、是非、未来へ向けての“一歩”を実行に移してみてください。何かを宣言したり、告知をしたり、誰かに連絡をとってみることだったり、小さいけど「やってみる」価値のあることを、まずははじめてみましょう！

ストレスが多い毎日が続くと、ある時、反動で何もしたくなくなることがあります。そんな時はゆっくり休み、無駄と思える時間を過ごしましょう。ストレスから心身を開放し、心や魂に栄養を補給することも忘れないでいましょう！好きなことをする時間、ハートが喜ぶ時間を、この新月をキッカケにして意識的に持つようにしてくださいネ。

魚座「水星」「火星」と蠍座「土星」間で120度の角度ができます。夢やインスピレーション、ふとした時にやってくる「閃き」を、いかに現実化してゆくのか？いろいろなアイデアが浮かんできそうです。ただし、大風呂敷を広げすぎたり、かってな妄想でゴリ押しをしたりしてしまわないよう気をつけてくださいネ。直観を信じることは大事だけど、直観とそうでないものを見極める慎重さを忘れないでいて欲しいと思います！「意識」を損得や、良い悪いというジャッジを越えた場所に置き、自分のブレることのない中心から、冷静に物事を見る必要がありそうです。

月の後半、流れがまた少し変わってゆきます。18日「太陽」が魚座に、19日「土星」が逆行に転じ、それを追うように、魚座「水星」が逆行をはじめます。水星逆行の時期は、いつも外側に向いているコミュニケーションを内側に向けた方が良い時期と言われています。つまり、他者でなく自分と対話すると良いというコトです。魚座は12星座の一番最後を担う星座。すべてのものを受け入れ、許し、浄化して救済してゆきます。未来へ向かって、前へ前へと進んでゆくにあたり、取りこぼしたものはないか？浄化、清算し損ねているものはないか？という動きになりそうな予感です。逆行の時のセオリーは、焦らない、ゆっくり、を心がける。誤解のないよう、不安なことはいつも以上に確認しておく、そしておおらかな心で対処する！イライラしない、落ち込まないための秘訣です。

26日、乙女座で「満月」を迎えます。大いなる目的に、高次の意志に「お任せ」しつつ、自分から働きかけて、繰り返していることを打破してみましょう。変化が環境の側から起こらないかと期待して待っているのではなく、自らで変化を選択し行動してみましょう！
ブレイクスルーを後押ししてくれる星回りです！

ダイナミックに前に進みながら、「源」に立ち返りましょう。「源」とひとつになれば（源の一部なので、常にひとつなのですが・・・）時間や空間という幻想を打ち破ることになるでしょう。
終わらせることは終わらせ、取り戻すものは取り戻し、全く新しい「はじまり」に備えましょう～☆