"レイライン"という言葉を聞いたことがあるでしょうか? これは、イギリスの主要な教会や遺跡をたどっていくと現れる直線で、気の流れを表す、風水でいうところの"龍脈"のようなもの。イギリスにはこのレイラインが数多く走っていますが、中でも一番大きなものは"セント・ミカエル・レイライン"と呼ばれるものです。グラストンベリーは、このセント・ミカエル・レイライン上にあります。イギリスに数あるパワースポットの中でも、もっとも多くの人々に注目され、たくさんの人が集まってくる場所。それが、グラストンベリーなのです。一番左の写
真がグラストンベリー・トア(ミカエル・トア)。人工的に作られた丘で、聖ミカエルの塔が立っています。そして、真ん中の写
真は大天使ミカエルがドラゴン(龍脈)を制しているところを表しています。そして、右の写
真がシルベリー・ヒル、ヨーロッパ最大の人口ピラミッドです。どれも、セント・ミカエル・レイライン上にあります。
グラストンベリーは太古から聖地として崇められてきました。ケルトの人にとっても聖地だったのです。そして、初めてキリスト教の修道院が作られた場所でもありました。そして、グラストンベリーはキリストやアーサー王にまつわる伝説が数多く残されています。アーサー王の物語に登場する伝説の島"アヴァロン"は、グラストンベリーだと言われているのです。それは、12世紀に大修道院でアーサー王のものらしき墓が見つかったことがきっかけ。その墓石の表面
には「ここに高名なるアーサー王、二度目の妻グウィネヴィアとアヴァロンの島に眠る」と書かれていたのです。一番左の写
真がその修道院跡で、真ん中の写真がアーサー王の墓だと言われています。
アヴァロンとは、9人の妖精に支配される異界のこと。またアーサー王はここで傷を癒し、いつか国を再び統治するために戻ってくる……そんな言い伝えが残されています。アヴァロンはまた、りんごの島とも呼ばれています。りんごといえば、エデンの園でイヴが食べた知恵の実。りんごを割ると中の種子は五芒星の形になります。星とのつながりもここグラストンベリーには数多くあるのです。アーサー王と12人の円卓の騎士が聖杯を探求する物語は、占星術の黄道十二宮のことを象徴しているとも言われています。アーサー王(太陽)が12星座を動いていくことの象徴がそこに見られるのです。グラストンベリーは星の魔力によって封じられ、聖別
された場所なのでした。伝説によるとそれを行ったのが魔術師マーリン。この魔術師はアーサー王を育て、聖杯探求の任に当たる騎士を選定する「円卓」の造り手でもあります。この地方のいたるところに星座を模したランドマークや遺跡があります。その一つに子犬座がありますが、今回のツアーでも、地図上に犬の横顔が現れる場所を訪れました。犬の鼻の当たり、耳のあたりを順番に移動します。おしりの辺りにはフリーメーソンが作った建物もありました。
そして、グラストンベリーの町の郊外にそびえるグラストンベリー・トア(人口の丘)は、異界への入り口と信じられ、これもマーリンが築いたといわれています。150メートルほどの高さのトアの頂上には、14世紀に建造されたセント・ミカエルの塔が立っています。ふもとから頂までは真っ直ぐな道が続いていますが、塔の周りにはらせん状に道のような段差が残され、まるでドラゴンが巻きついているかのよう。そして、それは"立体のメイズ(迷路)"だともいわれています。ある儀式に従ってこの道を登ると、妖精の支配する異界へと行くことができる……そんな話も伝わっています。このトアの周辺では、さまざまな超常現象が報告されています。私たちも実際に登り、みんなで瞑想もしました。今まで訪れた中でも、一番不思議な感覚がするところです。言葉で言い表されない不思議な感覚がありました。ここには、大宇宙とつながる力強いエネルギーと同時に、地の底から湧き上がってくるエネルギーがあり、「神の存在を感じられる」場所であると言われているのです。
また、トールのふもとにはチャリス・ウェルという、美しい庭園に囲まれた泉があります。私が最も訪れてみたかった場所。この泉の底には、キリストの最後の晩餐に使われ、十字架から滴るキリストの血を受けた聖杯が埋まっているといわれています。その聖杯は、キリストの叔父であるヨセフが埋めたという伝説が残されているのです。実際に水を飲んでみましたが、鉄分が多く含まれているため、すこし鉄の味がして、その辺りからもイエスキリストの血が連想されるのかもしれません。この泉の水は、2000年もの間枯れることがなくわき続けているのです。そして、人を清め、癒すパワーを秘めているといわれています。ヴィッキーのインスピレーションにより、この泉の水がボトルの中に3滴含まれているのです。
「ダヴィンチ・コード」を読まれた方はご存知のとおり、聖杯とは実はイエス・キリストの妻マグダラのマリアのこと。ここチャリスの井戸の蓋には二つの丸が重なり合った飾りが施されています。これは男性性と女性性、陰と陽の結合を示しています。そして、この場所は黄道十二宮の中のみずがめ座に対応するところ。地図上にはその象徴として、不死鳥が見られ、その不死鳥のくちばしがちょうど井戸にあり、まるで不死鳥がこの井戸の水を飲んで蘇っているかのよう。魚座の時代に終わりを告げ、新しいみずがめ座の時代に忘れ去られていた女神性が復活し、男性性と女性性が一つになる・・・それが今からの新しい時代なのです。
庭の中にはジョン・レノンが「イマジン」の曲のインスピレーションを受け取ったとされるベンチもありました。深い平和に包まれた庭園にはすべてのチャクラに対応する場所もありました。一つ一つのチャクラを感じながら、ゆっくり歩いたり、井戸の前で瞑想したり、もっともっと時間があればよかったなと思いました。また、ぜひ訪れてみたいです。とても懐かしく、心洗われる場所でした。
ここグラストンベリーは大宇宙の星のエネルギーが大地に刻みこまれたところ。そして、大地のエネルギーを象徴するドラゴンと天のエネルギーの象徴であるミカエルが一つになるところ。天にあるものは地にもある。オーラソーマでは私たちの肉体の中にも星があると見ています。常に、私たちの中にある小宇宙の星のエネルギーは大宇宙の星のエネルギーと連動しているのです。内にあるものは外にもある。私たちが自分の内なるものに目を向け、そこに思いやり平和をもたらすことがより大いなるものへとつながっていくこと、この旅でこのことを実感しました。マイク・ブースはこの旅の最後に素敵なメッセージを伝えてくれました。「理想像の自分を愛するのではなく、ありのままの自分を受け入れ、そこに思いやりや配慮をもたらすこと」「あなたはあなたであるがゆえに愛される」
さまざまな伝説が数多く残された聖なる土地、グラストンベリー。ぜひ、みなさんもチャンスがあれば訪れてみてください。そして、ここで宇宙・大地と一体化する経験をぜひ、してみてくださいね。
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