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八大竜王の滝〜玉置神社から天河神社へ |
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暑かった8月が終わり、9月がスタートしました。みなさんはいかがお過ごしでしょうか?夏ばてが出てお疲れの方も多いかと思います。早く涼しくなるといいですね・・・
今月のコラムは先日、熊野・大峯山系への聖なる旅で感じたことを綴ってみたいと思います。初日は熊野の本宮大社、速玉
神社を参拝して十津川温泉で1泊しました。自然の中でひっそりと川の近くに立つ民宿。温泉のお湯は柔らかくまろやかで、夜の露天風呂から見た星とお月様がとてもきれいでした。
次の日は朝から玉置神社へ向かいます。その途中とてもきれいな滝を発見!!車を停めて行ってみると、八大竜王をお祭りしているお社がありました。上の写
真がその滝ですが、たくさんのオーブが写っていました。その場にいるだけで心も身体も洗われる、本当に心地よい場所。懐かしい場所。いつまでもそこにいたい、そんな場所でした。2年前に箱根の九頭龍神社を訪れてから、龍神様とのご縁が深まって以来、何か大事な時は必ず龍が出てきてくれます。この日はいったいどんなメッセージが待っているのだろう・・・そんな思いの中で始まった2日目の旅。
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九頭竜神社を訪れた年、セドナでキャノン美津子さんに龍神様をお祭りしているところへ行きなさいと言うメッセージを頂きました。帰ってから訪れたのが、天河神社の近くにある龍泉寺。そこにも八大竜王がお祭りしてありました。
八大竜王は法華経に登場し、仏法を守護します。古代インドではナーガという半身半蛇の形であったのが、中国や日本を経て今の龍の形になったといわれています。昔から雨乞いの神様として祀られ、日本各地に八大竜王に関しての神社や祠があります。
ナーガはインド神話に起源を持つ蛇の精霊、蛇神のこと。釈迦が悟りを開く時に守護したとされ、仏教に竜王として取り入れられて以来、仏法の守護神となっています。ナーガはまた、天気を制御する力を持ち、怒ると旱魃に、なだめられると雨を降らすといわれていました。チベットでは、樹の枝に棲むとされている吉兆でもありました。
龍のイメージは西洋・インド・中国でかなり異なります。西洋ではドラゴンは常に悪者でした。しかし中国ではむしろ霊獣と考えられます。また西洋のドラゴンは羽を使って空を飛びますが、中国の龍は羽がなくても空を飛びます。ただし中国でも應という下のランクの龍は羽で空を飛びます。インドの龍は多分にコブラのイメージが強いとされますが、やはり大河が龍にたとえられるなど、龍は水と深い関係があります。
今、このコラムを書き始めてから、雷が鳴り響き大雨が降ってきたから驚きです!さすが雨乞いの神様です。これで涼しくなりますね(笑)
八大竜王を詳しく見てみます。
*難陀(なんだ)竜王・・・海洋の主。頭上に9匹の竜、右手に剣、左手は腰。
*跋難陀(ばつなんだ)竜王・・・難陀の弟。頭上に7匹の竜、右手に剣。
左手は空中
*娑羯羅(しゃがら)竜王・・・天海に住む。雨乞いの本尊である。
*和修吉(わしゅきつ)竜王・・・水中に住む九頭竜。
*徳叉迦(とくしゃか)竜王・・・この竜が怒って人を見るとその人は死ぬ
。
*阿那婆達多(あなばだった)竜王・・・ 雪山の池の中の五柱堂に住む。
*摩那斯(まなし)竜王・・・阿修羅が海水で喜見城を攻めた時その海水を
戻した
*優鉢羅(うはつら)竜王・・・青蓮華の池に住む
日本では八大竜王、特にその中でも娑羯羅(沙伽羅とも)が雨乞いの神とし
て深く信仰されており、弘法大師が京都神泉苑で八大竜王に祈って雨乞いを
し、雨を降らせたという話が残っています。また、八大竜王は役行者(えんのおづつ)ともゆかりが深く、奈良県天河村の龍泉寺は、役行者が八大竜王を祀った地であるとされています。雨乞いの時は娑羯羅竜王あるいは八大龍王を本尊とし、特に釈迦が八大龍王に説法している絵を筆の速い絵師に描かせながら、蛇を支配するのは孔雀ということで孔雀経が読まれたりします。
龍・水分の信仰で代表される古代民族信仰の発祥地である大峰山。霊山大峰山を開いたのが役行者でした。そして大峰山は修験道の本拠地となります。玉
置神社は大峰山入峰修験の拠点として栄え、山伏姿の修験者の往来が増えていったそうです。
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そして、いよいよ玉置神社に到着。人里はなれて玉
置山を入っていくと、境内には神代杉をはじめ樹齢3000年といわれる老樹大樹が杜となり、その懐に抱かれるように荘厳な玉
置神社の社殿が鎮座しています。今年の5月に訪れた屋久島とおなじ樹の精霊のエネルギーを感じました。呼吸が自然に深くなっていきます。この辺り一帯は湿度が高く、盤座が下にあって樹がミネラルをたくさん根っこから吸うから樹が良く育つと宮司さんが教えてくださいました。屋久島でも同じことを益救神社の宮司さんが教えてくださいました。盤座の上に屋久島が乗っていることから、亀の甲羅の上に屋久島が乗っていて、白い亀に乗った女神が屋久島を守ってくれているという言い伝えも聞かせていただきました。ここ玉
置神社には女神である弁才天が社務所の奥の間にひっそりとおられました。熊野から玉
置神社、天河神社、吉野へとつながるその下には盤座があり盤座聖地のネットワークという見方もあります。
この弁才天は役行者が大峰蔵王権現に先立って勧請され、最高峰弥山に大峰の鎮守として祀られたのが始まりです。また、天河大弁才天のはじまりでもあります。5年ほど前、天河神社の宮司さんと一緒に弥山の山納めに同行させていただいたことがありました。神事をしながら登っていき、山の頂上で雨の中神事を見させていただきました。その時はまだよくわかっていなかったことが、今になってずっと続いていた流れであったことに気づかされ、ただただ感謝と畏敬の念でいっぱいです。その後、バリを訪れた時にはちょうど弁才天であるサラスバティーのお祭りの日でした。その日にサラスバティーの名前が付いたホテルに泊まり、白檀で作られたサラスバティーを買わせていただきました。そのサラスバティーは今もかのんの玄関で見守ってくれています。
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弁才天は、仏教の守護神である天部の1つ。ヒンドゥー教の女神であるサラスバティーが仏教、神道に取り込まれた呼び名です。原語の「サラスバティー」は聖なる河の名を表すサンスクリット語。元来、古代インドの河神ですが、さらさらさら♪と河の流れる音から連想されて音楽の神とされ、福徳神、学芸神など幅広い性格を持ちます。インドの河神であることから、日本でも水辺、島、池など水に深い関係のある場所に祀られることが多いです。「日本三大弁才天」と称される神奈川県江ノ島、滋賀県竹生島、広島県厳島神社はいずれも海や湖に面
しています。九頭竜神社にも弁才天が祀られていました。龍泉寺では亀の上に役行者、その上に龍が祀られていました。亀、龍、弁才天はなんらかの関わりがあるようです。かめは水を入れる瓶(かめ)と同音。こじつけかもしれませんが・・・(笑)きっとこの謎も必要なタイミングで明かされていくことでしょう。
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そして、最後に天河神社に到着してびっくり!!旧暦の七夕にあたるこの日は七夕祭!!踊りやお芝居の奉納がされていました。夜までいれなかったのですが夜には燈籠流しが行われ、弐千基の燈籠が天の川に流されたそうです。ご先祖様はじめ萬霊供養の精霊流し。
八大竜王、弁財天、天河、精霊流し・・・すべて、水・水の流れに関係しています。
タロットカードの世界で、水の流れや川は脈々と続く生命の営み、そして運命を表しています。川は過去からの流れと同時にこれから先の未来への流れでもあります。今、私がここにいるのはご先祖様をはじめいろいろな縁、運命の運びがあったからこそ。感謝と畏敬の念が沸き起こるとともに、この先も信頼してこの川の流れに身を任せていけばいいんだという安心感、平和の感覚がやってきました。「今」、必要なことが起きていると信じる心が、平和をもたらします。
最後に帰りの車内で友人からメールを受け取りました。なんとこの日はマヤ暦の私の誕生日の日!!キン78です。78番のボトルのテーマは死と再生。本当に素敵なギフトを頂きました。今回の旅のナビゲートしてくれた主人と同行してくれた友人達にも感謝です。本当にいつもいつもありがとうございます。
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